We are Sawara-man!
取締役部長丹治 洋幸

小野川下流部 河川災害復旧工事(平成23年)

MYPRESURE

3.11の地震発生後まもなく、千葉県香取土木事務所から緊急対応の要請がありました。小野川下流において河川中央部に噴出した土壌が川の流れを堰き止めてしまい、上流側の町中の水位が上がってしまったとのこと。急ぎ現場に駆けつけてみると、小野川両岸の側道がいたるところで陥没し、鋼矢板より下の部分の土が液状化によって河川側に流出、それが河床を突き抜ける形で噴砂していました。(写真下)

 さっそく水の流れを確保すべく、土壌排除にしかかったものの、両岸の道路の地盤が不安定で大型の重機を走らせることができません。被災したのは小野川だけではなく、周辺一帯の人家にも及んでいます。道路や庭には多数の地割れも発生していました。また震災直後には余震が多発しており、重機の振動が近隣住民の不安を掻き立てるとの判断から、利根川側から水陸両用の掘削機械を直接小野川に入れ、河川内側から土壌を取り除く工法を採り、一日で水の流れを確保しました。本復旧工事においては、従来より長尺(約14m)の鋼矢板を根入れし、再び河川側へ土壌が流れ出ることがないよう十分な措置を施しました。
災害復旧は一刻を争うものですが、そんな中においても被災者への配慮を怠ることなく、また将来に向けてはそこで得られた教訓を生かすべく、再発防止に向けたより安全性の高い施工を行うことが求められます。土木という限られた側面ではありますが、いつの時代も人々の暮らしや歴史ある町並みを守り、安全な町づくりに貢献できたらと思います。

♪  心優し、ラララ土木の人。10万馬力だ、佐原の金太郎